高級ブランドが不振のようです。
原因は、世界で2番目に大きい高級品市場である中国の不景気。
ヴィトンは、2024年第1四半期の売上高が前年同期比3%増で、
グッチなどを傘下にもつケリングは、2024年上半期に前年同期比40~45%の減益。
そんな中、エルメスが「一人勝ち」しています。
2024年第1四半期(1〜3月)の売上高が前年同期比17%増で、
日本も25%増と絶好調。
経済状況が弱い日本でも、売り上げが増えています。
国内市場でビジネスをしている日本企業が苦しんでいるのとは対照的です。
なぜ、エルメスがこんなに強いのか?
エルメスの強さの理由は、
景気が弱い日本市場で企業が生き残るヒントになります。
最近、ヴィトン傘下のディオールが
40万円のバッグを作るのに9千円しか払っていないことが
イタリア当局の捜査で判明。
労働規定に違反して高い利益を上げることが
日常的に行われている疑いを持たれています。
エルメスと他のブランドの差はここにあります。
エルメスは、安価な労働力で商品を作らず、
職人魂を大切にして、それを刻印などで証明しています。
この信用力があるから、
安い労働力で商品を作っている他のブランドと
一線を画していると考えられます。
ブランドとは●●の積み重ね。
●●とは、「信用」です。
しかも、只の「信用」ではありません。
競合他社と比べられた時に「常に勝っている信用(またはオンリーワンの信用)」です。
オンリーワンの信用は、
他と比べようのない商品力・サービス力のことです。
ブランドとは、10年、20年、30年、100年と
商品・サービスを磨き続け、
競合他社に常に勝っていることを
証明し続けた結果だと言えます。
単に同じことを続けているのではなく、
常に商品・サービスを進化させ、
比べられた時に勝っている状態を作っています。
これが一番難しい。
商品・サービスを進化させ続けて
年数を重ねることは、とても難しい。
ブランドは、「常に勝っている信用(またはオンリーワンの信用)」を守った時間の長さですから、
後発の企業が真似することはできません。
しかし、先行した企業は守り続けねばなりませんから、
先に企業したからと言って安心な訳ではありません。
「常に勝っている信用(またはオンリーワンの信用)」を裏切れば、
後発の企業との差はあっさり無くなります。
ブランドは、作るのに時間が掛かるのに、
失うのは一瞬です。
だから、難しい。
今、景気の弱い日本においても
「常に勝っている信用(またはオンリーワンの信用)」を積み重ねて、
しっかり利益を出している企業はあります。
倒産件数が、史上最多のような業界でも、
「常に勝っている信用(またはオンリーワンの信用)」を積み重ねている企業は、
ビクともしていません。
景気に左右されないビジネスを作るには、
難しいことに挑戦し続けなければならないということでもあります。
弊社も精進せねば。
では、また。