2025年5月 気になる動き≫「革新的な生産性向上と地道な生産性向上」

今、中国EVが日本市場に浸透していきています。

中国トップのメーカーBYDは、
水平対向エンジンと電動ユニットを組み合わせた
プラグインハイブリッドを開発。
ガソリン車と変わらないスピードで充電できたり、
EV分野では日本より技術力があります。

軽自動車にも参入してくるので、
日本市場でシェアを伸ばしてくると思います。

EV事業に参入した中国小米(シャオミ)も気になる存在です。

そんな中で今注目されている中国ブランドがあります。

ハイエンドブランドに強みを持つ
「Zeekr(ジーカー)」です。

スウェーデンの「ボルボ」やイギリスの「ロータス」など
高級車ブランドを買収した「ジーリー(Geely/吉利汽車)」の
高級EVブランドです。

「ハイテクと豪華」をコンセプトにしているブランドで
わずか4年足らずで、電気自動車(EV)市場の世界トップ10入りを果たしています。

2024年に約22万台、世界40ヵ国以上に進出。
日本にも2年以内に進出予定。

話題の「DeepSeek」を搭載していたり、
特殊調光ガラスを装備していたり、高性能です。

しかし、これほど急激にシェアを伸ばしてきているのは、
性能はもちろんですが、革新的な生産手法を導入しているのも一因です。

Zeekrは、生産性が非常に高い
「ギガキャスト」を導入しています。

「ギガキャスト」とは、米テスラが先駆けて導入している生産手法で、
大型車体部品をアルミ鋳造で一体成型する技術です。

従来だと「80以上の鉄の部品を繋げて作っていたパーツ」を
「アルミの特殊技術で一気にパーツを一体形成」しています。

この技術のメリットは何と言っても、
時間の短縮と部品を繋ぐ仕事が不要になること。

さらに、溶接が少ないため車のねじれ剛性が向上し、
より安全性が高まる上に、重さも減るので、加速性能と航続距離も向上。

一体形成は、液体化したアルミを装置に入れると0.2秒で形が完成。
アルミを7200トンの力で一気に成形でき、
従来の方法だと1ヵ月掛かっていたパーツ作りが2時間で完成。

「革新的な生産性向上」を実現しています。

この他にも、溶接や搬送も機械で自動化。

後発だから可能な最新設備による
効率化が徹底されています。

「革新的な生産性向上」によって
「リーズナブル」な価格設定が可能です。

これとは対照的に日本のメーカーは、
ケイレツなど多くの部品メーカーと協力して生産しているため、
部品の削減が簡単ではありません。

生産性向上のお家芸といえば、「トヨタ生産方式」ですが、
ムダを徹底的に排除し柔軟な生産システムを構築し、
ジャスト・イン・タイムなど時代の変化に合わせて
生産を改善していく「地道な生産性向上」が得意。

カイゼンは、もちろんこれからも必要だと思いますし、
カイゼンの在り方自体も変わっていくと思いますが、
中国のスピード感は脅威です。

生産性の差は、価格競争力の差に繋がるので
中国メーカーの日本市場シェア占有率も
想像以上に伸びるかもしれませんね。

では、また。

イーコンセント営業カレンダー

2025年 6月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
1
2
3
4
5

休業日

ページトップへ戻る