今回から、言葉の探求シリーズとして
僕が気になった言葉や言葉の本質について
皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
ビジネスも言葉ひとつで、
大きく変わると思います。
例えば、アップル復活の原動力となった
伝説のキャンペーン「Think different」
「Think different」という言葉が
危機的な状況でバラバラになっていたアップル社員の心に火をともし、
熱狂的なアップルファンを生み出していく。
アップルという企業が目指すテーマを
ここまでシンプルに1つの言葉で表現できていることが
奇跡のようにも感じてしまいます。
人は商品ではなく、テーマに共感する
ビジネスにおいて
テーマはとても大切なことだと
この事例は教えてくれています。
この言葉が生まれる前のアップルは、
性能や機能、デザイン性でライバルに負けないように商品開発し、
その商品をたくさん売ることを
目的(テーマ)にしてしまっていたんだと思います。
でも、この目的では頑張る気にならないし、共感できない。
テーマとは、
そのビジネスを何故やっているのかという理由です。
誰のために、何のためにそのビジネスをするのか。
「Think different」という言葉には、
多くの人々が共感してしまうビジネステーマが入っています。
アップルは、商品やサービスを売っているのではなく、
商品やサービスを使って「ビジネステーマ」を伝えていると言えます。
商品やサービスは、あくまで伝えるための手段であり、目的ではない。
お客様に届けたいのは「ビジネステーマ」。
「ビジネステーマ」を届けるための手段(商品・サービス)であるから
スティーブ・ジョブズは妥協を許さなかった。
「ビジネステーマ」の価値が高く、
その価値に見合う商品・サービスにしなければ何も伝わらない。
伝わらなければ、存在していないのと同じ。
だから、「ビジネステーマ」と商品・サービスにズレがないようにしていた。
ズレがないから、お客様は共感できる。
結果として商品・サービスが売れるわけです。
「Think different」
深い言葉ですね。
次回は、「伝わる言葉の作り方」について考えてみたいと思います。
では、また。